ワタシの音楽
音大時代、人に追いかけられるのも、人を目標とするのも嫌になった瞬間がワタシにはあった。
ワタシの音楽があって何が悪い。
ビブラートをかけるだなんて、1回生のくせに生意気。という。
もっと色っぽく弾けないの? とにらまれた先輩の前で、思いっきりビブラートを掛けてのびのび弾いてやったことがあった。
そしたら、ビブラートは掛けないで!!!って先輩は言うの。
後にも先にも合奏練習中に全員がしーーーーーーんとなった瞬間。ワタシが言い放ったあの瞬間。
ビブラートもかけないで色気をだせ?! 色気を出せって言うからビブラートを掛けたのが何が悪い!!!
先輩は言い返す言葉がなかった。
本当なら、その時に別の方法で色気を出すという表現があるのだとすれば、その時に手本を見せてもらいたかった。
ワタシはまだ18才。音楽のいろはをこれから叩き込まれる時だったから。
でも、先輩は何も言えずに黙り込んだ。
今のワタシなら、ビブラートを掛けずに音の色気を出すというものを、自分なりに表現できるかも知れない。
あの時に、生意気なことをいったな。。と思うが、あの時の状況などを考え、先輩も未熟だったな。と自分がいった言葉には悪くないという結論を人生今でも持っている。
卒業してから、気分を切り替えたくて、家には楽器を置かない。今までもそうしてきた。
でも、最近無償に楽器のそばに居たいと思い、とうとう家に持って帰って来てしまった。
パートナーにも、「とうとう楽器が来たね。」といわれた。
まだそれならいいが、こうも言った。
「どうしちゃったの?!」
って、オイッ!
ワタシのもう一人の人生のパートナー。